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霧の朝

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ものがたりが溜まっている











# by marburg_bara_iro | 2017-04-24 22:57 | Comments(0)

土筆、ムスカリ、ありがとう

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この冬はちょっとたいへんで
なんの手伝いもしてあげられなかった
(よく考えてみれば
一度もかれらの世話をしたことがない)

けれどみんな
ちゃんと帰ってきてくれた

思いがけないようなところから顔を出し
あたらしい場所にいる自分たちに驚いている





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# by marburg_bara_iro | 2017-04-12 09:06 | Comments(5)

園鈴子先生



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3月4日の午後、電話が鳴って、
第67回H氏賞に詩集『真珠川 Barroco』が選ばれたと
お知らせをいただきました。

いつもお世話になっている方々が、ご自分のことのように
喜んで下さるのを目の当たりし、ようやく、
わが身にもたらされた幸いなのだと、
10日ほど経った今ごろ、ようやく少しずつ、
実感が湧いてきました。

これまでお導き下さった皆様、そして
詩集を読んで下さる皆様に、
心からの御礼を申し上げます。

発表の翌日、この豪華な花束を贈って下さったのは、
中学時代の恩師、園鈴子先生のお嬢さんです。

山里の分校で園鈴子先生に出会い、白秋の短歌を教わって、
言葉のなかに、色彩や匂いや音楽があるのを知りました。















# by marburg_bara_iro | 2017-03-14 22:54 | Comments(0)

春を待ち望む

芸術を愛する友人から、庭の梅が満開になりましたと
一枚の写真が送られてきました。
青空に、紅梅、白梅がきれいに映えています。
よく手入れされた生垣の緑も見事です。

同じ日に、北国の詩人から久しぶりにたよりがあって
「連日の除雪作業で体が鍛えられている」そうです。

みなさまのところは、いかがでしょうか。

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雪が積もると、こんなふうに
里山が近づいてきます。
この冬は、ちょっと厳しい足音で接近してくるように感じ
もうこのくらいでけっこうです、と
山に向かってきっぱりと言いたくなりました。

先月、ようやく両親の介護申請を提出したところで
まだ暮らしのペースをつかみきれず
日によってあたふたしたり、ぐったりしたりしていますが
うれしいこともありました。

ミラノの女流詩人、ラウラさんたちと再会し
イタリア語や、フランス語、英語、もちろん日本語など各国の言語で
詩の朗読を聞くことができたからです。
わたしの作品は今年の詩祭に間に合いませんでしたが
イグ・ラブリュスさんの詩の日本語訳を
心こめて読ませていただきました。

残念ながらわたしはイタリア語もフランス語もほとんどわからないのですが
詩人の母国語で朗読される詩は
魂から発せられたことばのようでした。

今回はラウラさんの姪で、
理知的で可愛らしく、たいへんな日本びいきのアリアナさんに
会うこともできました。
世界のどこかに、じぶんの感性とぴったりフィットし
心からくつろぐことのできる土地があること
人生の時を分かち合える友人がいるのはすてきです。
14歳の彼女の未来を応援したいと思います。

国際詩祭を企画、運営して下さったすみくらまりこさんはじめ
スタッフのみなさまに感謝します。



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母校、同志社のキャンパス内に
尹東柱さんの詩碑があることを教えてもらったのは
5年ほど前のことです。
生誕100年を記念する今冬の朗読会に出席を予定していましたが
その日はどうしても外出ができませんでした。

岩波文庫から出ている
『空と風と星と詩』を
この冬はじっくりと読みました。
雪の底が青くもえているような、そういう詩です。


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精米所から持ち帰った米ぬかを、畑に撒いたからでしょうか
嘴の黄色いムクドリがたくさん来ています。
雀より一回り大きく、はれやかにさえずります。
春はきっと、もうすぐです。
















# by marburg_bara_iro | 2017-02-20 11:31 | Comments(2)

大雪とアイスクリームと

豪雪地帯のみなさま
大雪のおみまいを申し上げます

どうかご無理をなさいませんように



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先週、どっさり積もったのがまだ解けないまま
また雪が積もった
今もしきりに降り続いている

夫が丁寧に雪かきをしてくれた道を
バス停まで歩く

大雪の前に骨折で入院した母を
外科病院に見舞う
雪のために車が使えない日があるけれど
幸いわが家はバス停のすぐそばである

バスは峠の近くの
更に雪深いところから
ほぼ定刻にやってくる
運転手さんに何度もお辞儀をする




小学生の頃、胸のあたりまで届くような雪のなかを
上級生の背中を頼りにようやく
村の小学校へ辿りついたことがあった





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ふだんは10分ほどの道のりが
果てなく長く感じられた

ようやく学校の建物が見え
校門らしい雪の塊の前に
あれは教頭先生だったか校長先生だったか
傘をさして待っていて下さった

「きょう、学校は休みですよ」
上級生の背中にしがみつくようにして
家に帰った





大雪の庭で母が
アイスクリームを作ってくれた

大鍋のなかに雪を入れ
塩も入れ
そのなかにひとまわり小さな鍋を入れ
小鍋のなかにはたぶん
牛乳と卵黄と砂糖が入っていたのだ

母は小鍋のなかをくるくると
しゃもじのようなもので回していた
わたしも真似をして回した

ちいさな妹とわたしが家族のなかで真っ先に
そのアイスクリームを食べた
まだ少しやわらかく
アイスクリームになりたがっている最中のようだった
砂糖がざらざらとして
それが溶けると牛乳の味がして
わたしはうっとりした

あれからいろんな場所でアイスクリームを食べた
あれほど味わい深いアイスクリームには
なかなか出合わない






















# by marburg_bara_iro | 2017-01-23 22:16 | Comments(4)