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by marburg_bara_iro
| 2023-09-29 19:14
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お変わりなくお過ごしでしょうか。 ここを訪れて下さり、ありがとうございます。 バレエのことばかり考えて過ごしていたところ、 おもしろい本を見つけました。 まず、『バレエ音楽がわかる本』音楽の友社刊。 紹介したいページはたくさんありますが、とりわけ、 現在活躍中の多くのダンサーのなかで、もっとも美しく、機敏で品格のある踊りで 客席を魅了する米沢唯さん(新国立劇場バレエ団プリンシパル)が、インタヴューに こたえているページは出色です。 「台詞を語るように音楽を踊る」米沢さんの言葉、ひとつひとつに心から頷きながら、 バレエという舞台芸術のために生れてきたような米沢さんが、舞台と客席ぜんたいを 清新な空気で満たし、ものがたりのなかにみなを招き入れて、魅惑的に踊る姿を 思いうかべました。 少しずつその作品の「地図」みたいなものが自分のなかにできあがっていく。 舞台は、その地図をお客様の前で一気に広げて「私はこう解釈しました!」と お見せする感覚で、それがまたすごく楽しいです。 ー米沢唯さんの言葉- それからもう一冊は、舞踏評論家でもある学者の海野敏さんが、六百年に渡る バレエの歴史を、世界史の流れに沿って、バレエへのふかい愛をこめて執筆された 特別な書です。 『バレエの世界史』 美を探求する舞踊の600年 海野 敏著 中公新書 この本に巡り会えた幸いを、感謝したいと思います。 作者の海野さんはもちろんのことですが、ぜひとも読んでみたくなるような書評を 執筆された三浦雅士さんにも。 どのページにも、ただ机の上で拾い集めたのではない、血肉の通った言葉による 鮮やかな定義づけがあるのですが、さりげないようでいてつよく印象に残る文章の 一部を、ここにご紹介させて下さい。 ダンス・デコールは「生身のからだで三次元空間を可能な限り広く、大きく支配 する技術」の体系だと言ってもよい。…つまり、未来への「構え」である。 どの方向へでも、いつでも動けると見せることが、動きの<広がり>を予知、 予感させることになる。 (P289~290) バレエの鑑賞者は、限りある生の現実をひととき忘れます。 その舞台が、やはり限りある生の享受者であるダンサーの動きから生み出されている、 それも未来永劫ただ一度きり…などと意識することは、まずないでしょう。 美しいときを、ただ美しいとだけ感じていられるのは、そう何度もあることでなく、 人生のとくべつな贈りものだと思います。 生身のからだで美の極みを表現するダンサーへの憧れは尽きません。 #
by marburg_bara_iro
| 2023-09-02 16:01
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例年よりも早い梅雨入りでした。
お変わりなくお過ごしでしょうか。 山里のみどりは日ごとに濃くなってきました。 写真は少し前の5月下旬、畑の向こうにみえる田園風景です。 クリニックへの道すがら、ビルの一階にあるバレエ教室のドアが開き 小学生や中学生くらいのちいさなバレリーナたちが、レッスン室の内部へ 一瞬の夢のように、かろやかに吸いこまれていきました。 バレリーナになりたい! そればかりをおもっていた小学生のころ、この町にはまだバレエ教室がなく、 雑誌の森下洋子さんの写真をうっとり眺めては、ため息をついていたことを 懐かしく思い出しました。 6月に入ってから、色とりどりの紫陽花が賑やかに咲きます。 花瓶のなかでも色の変化があらわれるのが、とても不思議です。 夢の続きをみているような気持ちがします。 詩集や詩誌をお送り下さり、ありがとうございます。 ゆっくりと読み、味わっています。 いただくばかりで、「ばらいろ爪」のエッセイがまだ一行も書けず… 夢について少し書いてみようかな、と須賀敦子さんの日記を読みながら 思いを巡らせているところです。 不順な天候ですから、くれぐれもお体をたいせつにお過ごし下さい。 #
by marburg_bara_iro
| 2023-06-22 16:06
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オルガニストの三浦轍司先生が、兵庫県たつの市で 足踏み式オルガンの演奏とお話の会をされます。 文明開化を奏でる風琴演奏会 2023年5月21日(日) 午前11時~ 全4回、それぞれ趣向を凝らした内容で、最終回には演奏体験もできるそうです。 爽やかなみどりの5月、たつの市へぜひお出かけ下さい。 各回定員20名、先着順です。 詳しくはこちらをどうぞ! きょうはイースターですね。 浜岡正年牧師から、復活されたイエス様について祝福のメッセージをお聞きし、 礼拝後は、先に天国へ召された方々の思い出を、アルバムを見ながら語り合いました。 #
by marburg_bara_iro
| 2023-04-09 15:22
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鴻巣友季子さんによる、びっくりするくらい鮮やかな書評を新聞で読み、
思わずアマゾンで注文した『テーゲベックのきれいな香り』。 作者の詩人・文芸評論家の山崎修平さんには、原宿のクロッコダイル朗読会で たった一度だけれど、お目にかかったことがある。 ずいぶんお若くて、見上げるような長身だった。 表紙の装画もデザインも、なんとも言えずすてきだ。 帯には、高橋源一郎さん、島田雅彦さん、赤坂真理さん、 そして黒瀬珂瀾さんが、それぞれ味わいのある推薦文を寄せている。 数ページ読んだところで、すでに幻惑される。 これはいったい小説なのか、それとも近ごろ主流になっているような 散文的な詩、あるいは詩論なのだろうか。 そういうと、詩集のなかに定型の短歌が、そこに在るべくして編まれている すばらしい詩集を何冊か読んで、ほおっと感心したことだった。 そもそも、文学のジャンルを色分けすること自体、はたして意味があるのかどうか。 須賀敦子さんのエッセイも、限りなく小説に近づいていたし、 須賀さんは「越境」や「異端」を退けるどころか、むしろ大胆に 近づいていく作家だった。 鴻巣さんの書評によれば「小説は詩に還りたがっている」そうです。 #
by marburg_bara_iro
| 2023-04-05 16:31
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