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中秋の名月2023


つい先ほど、亡き父の部屋の窓辺で撮った満月です。
父もこの窓から
月を愛でたことがあったのでしょうか。


むかし祖母や母が「よいお月夜さんやなあ」と
うっとり仰いでいた見事な満月を
飽きもせず、眺めています。

みなさま、どうぞよい夜をお過ごし下さい。




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# by marburg_bara_iro | 2023-09-29 19:14 | Comments(0)

夢の続き


夏はこんなに暑かったかしらと疑うほどの酷暑でした。
お変わりなくお過ごしでしょうか。

ここを訪れて下さり、ありがとうございます。

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バレエのことばかり考えて過ごしていたところ、
おもしろい本を見つけました。

まず、『バレエ音楽がわかる本』音楽の友社刊。
紹介したいページはたくさんありますが、とりわけ、
現在活躍中の多くのダンサーのなかで、もっとも美しく、機敏で品格のある踊りで
客席を魅了する米沢唯さん(新国立劇場バレエ団プリンシパル)が、インタヴューに
こたえているページは出色です。

「台詞を語るように音楽を踊る」米沢さんの言葉、ひとつひとつに心から頷きながら、
バレエという舞台芸術のために生れてきたような米沢さんが、舞台と客席ぜんたいを
清新な空気で満たし、ものがたりのなかにみなを招き入れて、魅惑的に踊る姿を
思いうかべました。

    少しずつその作品の「地図」みたいなものが自分のなかにできあがっていく。
    舞台は、その地図をお客様の前で一気に広げて「私はこう解釈しました!」と
    お見せする感覚で、それがまたすごく楽しいです。
                     ー米沢唯さんの言葉-


それからもう一冊は、舞踏評論家でもある学者の海野敏さんが、六百年に渡る
バレエの歴史を、世界史の流れに沿って、バレエへのふかい愛をこめて執筆された
特別な書です。
    『バレエの世界史』 美を探求する舞踊の600年 
     海野 敏著 中公新書  
この本に巡り会えた幸いを、感謝したいと思います。
作者の海野さんはもちろんのことですが、ぜひとも読んでみたくなるような書評を
執筆された三浦雅士さんにも。
どのページにも、ただ机の上で拾い集めたのではない、血肉の通った言葉による
鮮やかな定義づけがあるのですが、さりげないようでいてつよく印象に残る文章の
一部を、ここにご紹介させて下さい。

    ダンス・デコールは「生身のからだで三次元空間を可能な限り広く、大きく支配  
    する技術」の体系だと言ってもよい。…つまり、未来への「構え」である。
    どの方向へでも、いつでも動けると見せることが、動きの<広がり>を予知、
    予感させることになる。 (P289~290)


バレエの鑑賞者は、限りある生の現実をひととき忘れます。
その舞台が、やはり限りある生の享受者であるダンサーの動きから生み出されている、
それも未来永劫ただ一度きり…などと意識することは、まずないでしょう。
美しいときを、ただ美しいとだけ感じていられるのは、そう何度もあることでなく、
人生のとくべつな贈りものだと思います。
生身のからだで美の極みを表現するダンサーへの憧れは尽きません。
























    

    








# by marburg_bara_iro | 2023-09-02 16:01 | Comments(0)

例年よりも早い梅雨入りでした。
お変わりなくお過ごしでしょうか。

山里のみどりは日ごとに濃くなってきました。
写真は少し前の5月下旬、畑の向こうにみえる田園風景です。




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                       おしとやかなポーズ!




クリニックへの道すがら、ビルの一階にあるバレエ教室のドアが開き
小学生や中学生くらいのちいさなバレリーナたちが、レッスン室の内部へ
一瞬の夢のように、かろやかに吸いこまれていきました。


バレリーナになりたい!
そればかりをおもっていた小学生のころ、この町にはまだバレエ教室がなく、
雑誌の森下洋子さんの写真をうっとり眺めては、ため息をついていたことを
懐かしく思い出しました。





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6月に入ってから、色とりどりの紫陽花が賑やかに咲きます。
花瓶のなかでも色の変化があらわれるのが、とても不思議です。
夢の続きをみているような気持ちがします。

詩集や詩誌をお送り下さり、ありがとうございます。
ゆっくりと読み、味わっています。

いただくばかりで、「ばらいろ爪」のエッセイがまだ一行も書けず…
夢について少し書いてみようかな、と須賀敦子さんの日記を読みながら
思いを巡らせているところです。

不順な天候ですから、くれぐれもお体をたいせつにお過ごし下さい。




















# by marburg_bara_iro | 2023-06-22 16:06 | Comments(0)

オルガンコンサートのお知らせ


オルガニストの三浦轍司先生が、兵庫県たつの市で
足踏み式オルガンの演奏とお話の会をされます。
 
       文明開化を奏でる風琴演奏会

2023年5月21日(日) 午前11時~
全4回、それぞれ趣向を凝らした内容で、最終回には演奏体験もできるそうです。

爽やかなみどりの5月、たつの市へぜひお出かけ下さい。
各回定員20名、先着順です。
詳しくはこちらをどうぞ!






  
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                      アレンジメント 矢嶋和子さん
きょうはイースターですね。
浜岡正年牧師から、復活されたイエス様について祝福のメッセージをお聞きし、
礼拝後は、先に天国へ召された方々の思い出を、アルバムを見ながら語り合いました。










# by marburg_bara_iro | 2023-04-09 15:22 | Comments(2)

越境する文学

鴻巣友季子さんによる、びっくりするくらい鮮やかな書評を新聞で読み、
思わずアマゾンで注文した『テーゲベックのきれいな香り』。

作者の詩人・文芸評論家の山崎修平さんには、原宿のクロッコダイル朗読会で
たった一度だけれど、お目にかかったことがある。
ずいぶんお若くて、見上げるような長身だった。

表紙の装画もデザインも、なんとも言えずすてきだ。
帯には、高橋源一郎さん、島田雅彦さん、赤坂真理さん、
そして黒瀬珂瀾さんが、それぞれ味わいのある推薦文を寄せている。

数ページ読んだところで、すでに幻惑される。
これはいったい小説なのか、それとも近ごろ主流になっているような
散文的な詩、あるいは詩論なのだろうか。
そういうと、詩集のなかに定型の短歌が、そこに在るべくして編まれている
すばらしい詩集を何冊か読んで、ほおっと感心したことだった。

そもそも、文学のジャンルを色分けすること自体、はたして意味があるのかどうか。
須賀敦子さんのエッセイも、限りなく小説に近づいていたし、
須賀さんは「越境」や「異端」を退けるどころか、むしろ大胆に
近づいていく作家だった。

鴻巣さんの書評によれば「小説は詩に還りたがっている」そうです。








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昨秋、リース作家の繭子さんからいただいた数々のチューリップのうち、これは
早咲きのキングスクラウン。













# by marburg_bara_iro | 2023-04-05 16:31 | Comments(0)